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前橋市の認知症ケアガイド|早期発見と介護予防への取り組み方
2026.08.29
前橋市の高齢化と認知症をめぐる現状
高齢の家族に「もしかして認知症かもしれない」と感じたとき、どこに相談すればよいのか分からず不安になる人は少なくない。群馬県前橋市でも高齢化が進むなかで、認知症になっても本人と家族が安心して暮らし続けられる地域づくりが進められている。本稿では、前橋市の高齢化の現状を踏まえつつ、認知症ケアと介護予防に関する市の取り組みや相談窓口を整理する。
前橋市の人口は、令和8年(2026年)6月末時点で326,194人となっている。65歳以上の高齢者人口は令和5年9月末時点で99,475人、高齢化率は30.2%と、市民のおよそ3人に1人が高齢者という状況に近づきつつある。今後、75歳以上の後期高齢者はさらに増えていく見込みとされており、加齢に伴い発症リスクが高まる認知症への備えは、多くの家庭にとって身近な課題になっている。市の資料でも、現在は高齢者のおよそ4人に1人が認知症またはその予備群とされていると紹介されており、決して他人事ではない数字といえる。人口減少と高齢化が同時に進む地域だからこそ、家族だけで抱え込まず、地域全体で支える仕組みの重要性が増している。
介護保険制度とまえばしスマイルプランの位置づけ
前橋市は、令和6年度から令和8年度までを計画期間とする「まえばしスマイルプラン」(老人福祉計画・第9期介護保険事業計画)に基づき、高齢者福祉施策を進めている。介護保険制度は40歳以上の被保険者が保険料を納め、要介護・要支援状態と認定された場合に、費用の一部負担で訪問介護や通所介護、施設サービスなどを利用できる仕組みであり、認知症の診断を受けた人もこの制度を通じてさまざまな支援を受けられる。ただし、制度を使いこなすには早い段階での相談と情報収集が欠かせず、この点で地域の相談窓口が果たす役割は大きい。
地域包括支援センターへの相談窓口
認知症に関する相談や介護保険の手続きについて迷ったときは、まず「地域包括支援センター」に相談するとよい。前橋市には12か所の地域包括支援センターと10か所の地域包括支援ブランチ(窓口)が設置されており、住んでいる地区ごとに担当のセンターが決まっている。各センターでは保健師等、社会福祉士等、主任介護支援専門員等の専門職が協力し、介護保険にとどまらない総合的な相談のほか、高齢者の権利擁護、虐待の早期発見・防止、介護予防のケアプラン作成などにも対応している。どのセンターが担当か分からない場合も、市が公開している地域包括支援センターの一覧やリーフレットで確認できるほか、電話で問い合わせれば案内してもらえるため、まずは気軽に連絡してみるとよいだろう。
認知症の早期発見を支える認知症初期集中支援チーム
前橋市は平成25年8月から「認知症初期集中支援チーム」を設置している。これは、認知症が疑われる人やその家族に対して、医療や介護の専門知識を持つ職員のチームが早期診断・早期対応に向けた支援を集中的に行う仕組みである。チーム員が家庭を訪問し、本人や家族が抱える生活上の困りごとを一緒に確認しながら心理的なサポートも行い、おおむね6か月を目安に集中的な支援を実施したうえで、その後は地域包括支援センターやケアマネジャー、介護事業所などに引き継いでいく流れになっている。「認知症かもしれない」と感じた早い段階で、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談することが、本人にとっても家族にとっても負担の少ない対応につながる。市はあわせて「前橋市認知症ケアパス」も公開しており、認知症の進行段階に応じて利用できるサービスの流れを確認することができる。
介護予防に取り組むための市の支援策
介護予防の面では、前橋市は「介護予防活動ポイント制度」を実施しており、介護予防や地域貢献につながる活動に参加した高齢者に対してポイントを付与し、商品券などと交換できる仕組みを設けている。社会参加を続けることが介護予防やフレイル(心身の虚弱)予防につながるという考え方に基づいた取り組みであり、外出や交流の機会を増やすきっかけとしても活用されている。また、令和3年度からは保健衛生部門と介護予防部門が連携し、生活習慣病の重症化予防やフレイル対策を一体的に進める取り組みも進められている。こうした介護予防の取り組みは、認知症の発症や進行を遅らせることにもつながるとされており、症状が出てからではなく、元気なうちから参加しておくことが望ましいとされている。
まとめ|早めの相談が安心な暮らしにつながる
前橋市は高齢者人口・高齢化率がともに増加傾向にあり、認知症への備えと介護予防の重要性は今後さらに高まっていくと考えられる。認知症初期集中支援チームによる早期支援、地域包括支援センターでの相談、介護予防活動ポイント制度など、市が用意する仕組みは幅広いが、いずれも自分から情報を取りにいかなければ気づきにくいものが多い。まずはお住まいの地区を担当する地域包括支援センターに連絡し、本人や家族の状況に合った支援につなげてもらうことが、無理なく安心して暮らし続けるための第一歩になる。認知症は誰もが発症する可能性のある身近な病気だからこそ、早めに相談し、周囲の支えを借りながら向き合っていく姿勢を大切にしたい。
